渋井式クロスファイア

野球観戦記。他いろいろ。

【281】2018年・埼玉西武ライオンズ GAME.137【現地観戦】

さあ、サクセスストーリーのフィナーレを飾ろうではないか。

 

 

こんばんは。渋井です。

ライオンズとライオンズファンにだけは優しいストーリーだったよ。

 

9月29日 13:00~ Game:137 vs Hawks 24回戦@メットライフドーム

Last:07 Rank:1(M1

 

Starting Line-UP

【先攻:福岡ソフトバンクホークス

51 RF 上林誠知

 8 2B 明石健志

 7 1B 中村晃

 9 CF 柳田悠岐

54 DH アルフレド・デスパイネ

27 LF ユリスベル・グラシアル

 0 SS 高田和季

62 C 甲斐拓也

 3 3B 松田宣浩

19 P アリエル・ミラン

【後攻:埼玉西武ライオンズ

55 CF 秋山翔吾

 6 SS 源田壮亮

 3 2B 浅村栄斗

33 1B 山川穂高

 1 LF 栗山巧

60 3B 中村剛也

10 C 森友哉

99 DH エルネスト・メヒア

 8 RF 金子侑司

11 P 今井達也

 

【渋井の戦評】

最高の舞台。マジック1で迎えた、宿敵ホークス戦の、2018年ホームゲーム最終戦。現在のエース菊池雄星が勝利した翌日に、次世代のエース候補筆頭の今井達也が先発。相手は今季あれだけ豪打爆発していたライオンズ打線が、苦手と言われてきた軟投左腕投手。ミランダに限っても、今季途中加入の選手にも関わらず、今日で対西武の先発は3回目。好勝負は約束されたようなものです。

 

 

昨日も書いている通り、この好勝負の雌雄を決するのは、些細なミスです。失策・四球はもちろん、細かな走塁の怠慢や、監督の継投の判断、捕手の配球も槍玉に上げられてしまうでしょう。その大事な一戦に、両先発が四球を連発。投げ切れない投手、避けたい局面、手を出さない打者。様々な条件が重なってはいましたが、3回までに今井が3つ、ミランダが2つ。更に3回裏一死1塁、2番・源田のレフト前の打球をグラシアルがファンブルし、打者走者の二進を許す痛恨のミス。次の3番・浅村の打球は、通常隊形なら併殺コースのショートゴロも、一塁に走者がいないため先制点のランナーが生還。もちろん、1・3塁と2・3塁では打席内の意識も、配球も、野手のポジションも変わるので「タラレバ」は存在しないが、喉から手が出るほど欲しい先制点を、ヒット1本だけで手にすることが出来たのは非常に大きい。

後続が続かずに4回表、この回も先頭打者に四球から入り、犠打で得点圏を作られる。8番・甲斐を何らかの変化球で三振に切ったが、9番・松田に逆転ホームランを浴びる。まあ0-1で勝とうとは端から思っていないにしても、返されるにはすこし早過ぎた。しかしそれもストーリーの一部。逆転の方が「らしい」じゃないか。

4回裏、内野安打と四球でチャンスを作り、打席には8番・メヒア。なるほど。ここまで極度の打撃不振でシーズンを過ごしてきたメヒアがこの試合で救世主になるか。と予感があったが違う。ヘロッヘロのスイングで内野フライ。もうなんじゃこりゃと思った。もうメヒアはどうにもならんのか。誰かメヒアの救世主になってやってくれ。

5回裏、1番・秋山のヒットから始まり、しばらくヒットの出ていない3番・浅村。なるほど。この打席はもう二分の一。本塁打か併殺だ。不振で苦しんでいた松田がホームランで息を吹き返しそうなんだ、負けているわけにはいかないだろう。が、併殺。悪い方の予感だけ的中するのやめてもらっていいですかね・・。

 

先発の今井達也はと言うと、松田に打たれた1発以外は要所をキッチリ締め、本当にエースのような力投を見せ続ける。一度出血のアクシデントがあったらしくベンチへ下がったりもしたが、それでも6回を2失点に抑えゲームを作る。打たれた松田にも回る7回表、継投は増田達至へ。それでも9番・松田のこの一撃。

 29号の時は見せなかったお決まりの「熱男」も見せ(映像には残ってなかった)、1人で気を吐く松田宣浩。8人を抑えても、1人に打たれると失点になってしまうホームラン、やはり脅威ですね。

 

それでも見せ場を最後に用意するのは我々です。8回裏、ピッチャーは2番手・加治屋に代わり、簡単に2アウトを取られるも、4番・山川のセンター前ヒット、5番・栗山の眼力で四球を選び取り、打席は6番・中村。2アウトを取られた段階で、2人ランナーを出せば・・と予感していたら、いよいよミラクルゲームの始まりです。2点ビハインド、ランナーは2人、打席には「異次元で微笑むアーチスト」。10年前の優勝を知る主砲が、今季も決着の場面でメークドラマ。これがフィナーレですよ・・

 

おや?打球が来ない。おかしい。今日は絶対に勝利の筋書きだった。サヨナラ勝ちで優勝決定と言うには、あまりに出来過ぎている。この8回裏というのが最高の場面だった。何処でこのストーリーは狂ってしまったのか。筋書きに「無かった」部分が新たに追加されていたとしたら、どこなのだろうか・・・

 

【試合成績】

ソ 000 200 100 | 03 06 1

西 001 000 000 | 01 07 0

 

【投手成績(ライオンズのみ)】

11 今井達也

投球回6 打者25人 被安打4 被本塁打1 与四球4 奪三振4 失点1 球数115

14 増田達至

投球回1 打者4人 被安打1 被本塁打1

44 小川龍也

投球回1/3 打者2人 被安打1

25 平井克典

投球回1 2/3 打者5人 奪三振1

 

【安打内訳(ライオンズのみ、丸数字は打点)】

0本:浅村①

1本:秋山・山川・中村・森

2本:源田

3本:

 

【失策情報】

なし

 

【順位表】

(順位~球団名~勝利-敗北-引分~貯借金~残試合数~1位とのゲーム差)

 

1 埼  玉 西  武 84-51-2 +33 06  M01

2 ソフトバンク 76-57-1 +19 09 -07.0

3 日  本 ハ  ム 70-62-3 +08 08 -12.5

4 オ リ ッ ク ス 61-72-5 -11 05 -22.0

5 千 葉 ロ ッ テ 56-72-3 -16 12 -24.5

6 東  北 楽  天 56-78-3 -22 06 -27.5

 

【総評】

9番・松田宣浩、恐れ入りました。

全打席本塁打くらいの意気込みだったんだろうか。チームの敗北と自身の不振を結びつけてしまったか。責任感の人一倍強いチームリーダーに、叩けそうな強敵を救われてしまった。

 

しかし、臆することなかれ。我々の優勝へのマジックナンバーは依然1。この盛大なサクセスストーリーは白紙にされてしまったが、悲願達成に向けては目の前に在り続けている。「欲張っちゃいけない」。これが答えだったのだろう。私は札幌へ行く事は出来ないが、変わらずにテレビから、ネットから、青炎を送り続けたい。

 

 

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