渋井式クロスファイア

野球観戦記。他いろいろ。

【303】負けてたまるか、負けるんじゃねえぞ。

かつてともに涙を流した、仲間たちの夢。

夢まで、あと少し。

 

 

こんばんは。渋井です。

ライオンズファンにとっては恒例となりつつある、悲壮感漂う時期になりました。

 

FA宣言の季節です(?)。ライオンズからは本年、2名の選手がFA権を行使し、他球団との契約交渉を行った。その他、中村剛也選手が残留を前提にFA権を行使する、2016年オフに栗山巧選手が実施した所謂「FA放棄」の為にFA宣言を行った。ありがとう。

 

そもそもFA権(フリー・エージェント権)とは、ドラフトにより各球団に所属した選手が、自分の希望する球団に所属出来るようになる権利であり、高卒選手だと8年、それ以外の選手は7年の間、1軍に登録されていると自動的に得られる(例外・特例有。詳しくはフリーエージェント (日本プロ野球) - Wikipedia)。権利の行使は選手に委ねられており、1度権利を得たら行使するまで権利は保有し続けるが、行使した場合は選手の来歴に関わらず、4年間の1軍登録期間が必要となる。

FA権を行使する理由としては、代表例を大きく分けると4種類ある。1つは「自分の地元でプレーをしたい」と言う希望。特に既婚選手の場合、家族の出身地というポイントは大きくなるケースが多い。2つ目は「優勝したい(優勝争いがしたい)」と言う理由。特に最近のプロ野球には極端に弱いチームは無くなったが、2010年オフの内川聖一選手のFAは代表的な例だろう。3つ目はやはり「年俸の良さ」だろう。自分の残した成績・球団への貢献に対しての対価が少ないと感じたら、他球団は自分をどう評価するのかが気になるところだ。また、FA権を行使して移籍することになれば、獲得する球団は自球団の戦力アップはもちろん、ライバル球団の戦力を奪う事にもつながるので、自然と年俸はFA権を保持・使用していない選手よりは上がる。このため、FA権取得の時期が近付くと、複数年契約により権利行使を事前に阻止したり、通常の査定よりも高額な年俸が支払われるケースも少なくない。4つ目は「出場機会が欲しい」と言う理由。FA権を取得するころには年齢もやや上がってきている頃。自分より年下の選手がレギュラー格に上り詰めてきた時に、自分はこのまま控え選手として終わっていいのだろうか。まだスタメンを張れる力があるんじゃないか。そんな時にはFAです。

 

そして今季2018年オフ、かつて正捕手を務めた炭谷銀仁朗と、現キャプテン浅村栄斗が共にFA宣言でライオンズを離れることになった。炭谷は出場機会を求めての宣言と推測できる。20代前半の森友哉が捕手として目処が立ち、チームの方針、自分の出番や立ち位置を考えたら、FAという決断は難しくない。浅村は理由付けが難しい部分があるが、おそらく環境面の問題だろう。

今季はさらに、ポスティングシステムにより菊池雄星メジャーリーグへの挑戦を表明し、退団がほぼ確定的だ。少なからず、高卒からプレーし続けた環境を離れる決断は、並大抵の覚悟では無いと思う。この3人の抜ける穴は。2019年シーズンに大きく影響することは間違いない。それまでの大きな選手にまで育ったのだし、それほどの大きな貢献をここまでしてくれた。まずはここまで、ライオンズの一員として、他球団から獲得に興味を示してもらえるだけの実績を残してくれた事に、一ファンとして感謝したい。

 

しかし、来年からは我々のライバルとなる。他リーグに移籍する炭谷や、国外に移籍する菊池はともかく、同一リーグに移籍する浅村は、特に意識しなければいけない存在となるだろう。奇しくも2016年オフに同じくライオンズからFA移籍した岸孝之と同一球団への移籍となった事により、当該球団へ対するライオンズファンの的外れな暴言をtwitter等で目にするが、私はこれもまたプロ野球なのだと考えている。もちろん、FA移籍に関する球団・選手間のルール違反は無い物だと信じての前提だが、各球団が補強ポイントを的確に補強する、もしくは他球団の戦力を自球団に追加する(他球団の戦力を落とす)事が可能ならば、積極的に動くのが球団経営の基本だろうし、そこに疑問は感じない。パ・リーグで言えば、ライオンズ・ファイターズは戦力放出が目立つチームだが、その穴を適切なドラフト、育成力で補ってきた。FA宣言選手の獲得が少ない両球団だが、その背景には補強をする必要が無い、と球団が考えている部分があるのかもしれない。私はそのやり方が好きだし、初安打、初ホームラン、初登板、初勝利の瞬間に勇ましく雄叫びを上げる若獅子の姿を、試合の勝利と同じくらい楽しみにしている。具体的な話をすれば、浅村のFA獲得に乗り出したホークスで、今季までヘッドコーチを務めた達川氏は、地元のテレビ番組で「牧原(大成)がせっかく台頭してきたのに」と獲得に反対的な意見を述べたそう。私も全くその通りの考えで、生え抜き至上主義じゃないけど、出来ればそういう戦い方で勝つのが良いと思ってしまう。もちろん、その中で補強してほしい箇所はあったりするが・・。あくまで理想の姿。

 

更に理想を言えば、その補強を済ませた万全の球団に勝って、2年連続リーグ優勝、そして今季掴めなかった「日本一」の栄冠を掴み取りたい。日本シリーズで炭谷と対決することが出来たら、それもまた面白い。2017年オフに移籍した野上亮磨も在籍している事だし、是非日本シリーズで対決してみたいものだ。

ライオンズを離れた選手を応援することは、ライオンズというチームを応援している私にはできないが、他の選手よりはやや贔屓目にチェックしたいと思う。新天地でも、自分らしさを前面に出してプレーしてください。我々は、負けません。