監督の途中交代が10年に1度は起こりすぎなのでは。
こんにちは。渋井です。
「監督休養」、野球用語感ある。
ここで言う休養は、もう事実上の「解任」です。病気等による休養の時はそう発表されますので、それが無い時の休養はクビです。前提として、ここから復帰の可能性はほぼ0と思っています。
そして、それは今季限りではなく、今後も松井稼頭央さんがライオンズのユニフォームを着ることもほぼないと思っています。まあある種の喧嘩別れみたいなものですからね。実際監督と球団で喧嘩したみたいな情報は無いですし、むしろ「そうでない双方協議の上での決断だ」と説明がありました。ですが、本来契約途中の時期に解任、となればそう簡単にもう一度、とはならないでしょう。
松井稼頭央さんと言えば、高校卒業からライオンズに入団した1994年から、メジャー挑戦した2004年、ライオンズに選手として復帰し、現役を引退した2018年まで、長くライオンズ球団に、ファンに愛された人物。2019年以降も二軍監督、一軍ヘッドコーチを経て、満を持して2023年に一軍監督に就任しましたが、チームの現状は皆様が知る通りです。今週末は2連勝しましたが、既に自力優勝の可能性は消滅するなど現在15勝30敗。この結果を受け、昨日26日に「監督休養」が発表されました。
今季ここまでのスタメン。松井監督就任前の2022年から振り返ると、当時正捕手の森友哉が2022年にFA移籍により退団し、同じくFAで2022年には41本塁打を放った山川穂高が、激動の2023年を経て退団。2023年に入団したペイトン・マキノンの両外国人は2年目の契約には至らず、代わりに獲得したコルデロ・アギラーは表を見て頂いてわかる通り、5月5日を最後に両名とも一軍スタメンから名前が消えました。
外崎修汰、源田壮亮ら主力野手についても軒並み低調で、2023年に希望を見出した佐藤龍世、渡部健人、長谷川信哉ら次世代の野手も伸び悩み。この成績なら毎日スタメンが変わり続けるのも仕方ないかと言う印象。
そしてこれが、前回の監督休養となった2014年シーズンの、監督が休養するときまでのスタメン。これも前年2013年、伊原監督が就任する前から比較すると、ヘルマン、片岡治大、涌井秀章と言った主力が揃って退団し、主砲の中村剛也も開幕には間に合わずに打線は御覧の通り。補強したランサムはヘルマンの穴を埋めるには程遠く、一塁スタメンには二遊間や外野手の打撃を一番の売りとはしないベテランが並んだ。メヒアの緊急獲得で主軸は完成し、合流した中村と共に本塁打王を獲得するシーズンとなるが、休養を発表した6月4日時点でチームは20勝33敗の最下位。くしくも今年と同じく、最終戦の6月4日は勝利していた。
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ちなみに2014年の最終成績。あのね、めちゃくちゃ戦力揃ってるよね今見ると。羨ましいくらいよ。
伊原監督も、2002年のチーム優勝時の監督であるなどライオンズにとっては重要な人物であることは間違いないが、2014年時点で「古い野球」「古い人物」と称されることが少なくなかった。規律を重視し、プライベートやユニフォームの着こなしまでに及ぶ徹底的な管理野球を掲げたが、これが2008年に個性派揃いの若手選手で優勝して以降の「若手主体」「個性重視」のチームとはかみ合わなかった。言葉は悪いが、ファンからの監督批判は少なくなかったように記憶しています。
起こり得ない可能性ですが、「2014年の戦力で松井監督だったらどうだったんだろうな」とは思います。2013年からの引継ぎでどんなチームを作るのか。メヒア補強に踏み切らない可能性もあるかもね。せめてもうワンチャンス、トレード打診なり、緊急補強なり、松井監督を後押しする戦力補充をしてあげてほしかった。まあ、そのすべての責任をGMが「代行監督」として背負う意気込みは応援したいとは思いますが、松井監督の幕切れはあまりにも悲しいものだとは思いますね。ただ正直、今後のチーム展開は楽しみではあります。「代行監督」経験者の平石洋介ヘッドもいたり、2025年の監督は誰になるんだろうとか、こうなってしまった以上、どうやってこのチームが立て直るのか見届けたいと思います。